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請求書買取の「償還請求権なし」を規約で読んだ。ラボルとペイトナーで返還や買戻しになる条件と、回収したお金を渡す期日
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「償還請求権なし」は、請求書買取を選ぶときの最初の条件です。取引先が払わなくなっても、受け取ったお金を返さなくてよい、という意味で使われます。前の記事でも確認の1番目に置きました。
ただ、この言葉だけで安心してよいかは、規約の別の条文で決まります。ラボルとペイトナーの利用規約を、2026年9月5日に読み直しました。分かったのは、自分がお金を返す場面は2つあり、どちらも取引先の倒産とは別の理由だということです。
「返さなくてよい」の条文はどちらにもある
ペイトナーの利用規約第8条6項です。
当社は、利用者から対象債権を譲り受けた場合、原債務者が対象債権の支払いを怠った場合であっても、本規約に別途定める場合を除き、利用者に対して、当該対象債権の譲渡対価を支払うものとし、かつ、当該譲渡対価の返還を求めないものとします。
ラボルは、利用規約の第17条から第21条が買取の章です。取引先の倒産については公式のよくある質問に「買い取った金額の返還を求めることはない」と書かれています(前の記事で2026年8月17日に確認済み)。
どちらも、取引先が払わない場合の損は買取側が負う構造です。ここまでは看板どおり。読む価値があるのは「本規約に別途定める場合を除き」の中身です。
返す場面1: 自分の表明保証が崩れたとき
ペイトナーの第10条5項と6項です。利用者の表明保証(第7条)が真実でなかった場合、または利用者か取引先に契約違反があった場合、会社は譲渡契約を解除できます。そのとき、
当社は利用者に対して未払いの譲渡対価を支払う義務を負わず、又は利用者に対して既払い済みの譲渡対価の返還を求めることができるものとします。
7項で、その場合でも手数料と振込手数料は返さない、と続きます。
ラボルは第19条に「買戻義務」の条があり、確約事項に違反した場合、会社が請求すれば利用者は買取対象債権を額面で買い戻します。第20条で、買戻しの請求の有無にかかわらず損害賠償の義務も定めています。
では、表明保証や確約事項とは何か。2社で書き方は違いますが、フリーランスが実際に引っかかりうるものは似ています。
| 確約している内容 | ラボル(第17条9項) | ペイトナー(第7条) |
|---|---|---|
| 請求書の記載が正確で、金額どおりの債権が存在する | (1)〜(4) | (10) |
| 原契約の義務を自分が履行済みで、取引先が支払を拒める理由がない | (11)(12) | (8)(9) |
| その債権を他に譲渡・担保設定していない | (8) | (3) |
| 契約で譲渡が禁止されていない | (9) | (3) |
| 取引先に倒産手続の申立てがない(買取日時点) | (15) | 記載なし |
| 税金・社会保険料の滞納がない | 記載なし | (5) |
取引先が支払を拒める理由を自分が作っていないかが、実務上いちばん効く行です。納品が遅れている、検収が終わっていない、相殺される経費がある。そういう請求書を出すと、取引先の不払いは「倒産」ではなく「抗弁」として扱われ、こちらの確約違反になります。ラボルの第17条8項は、源泉徴収や経費の控除で入金が額面より減った場合、減った分を利用者が支払うと明記しています。
ラボルの利用規約(第17条〜第21条)を公式で読む#PR 公式サイトへ移動します。手数料は買取額の10%で振込手数料なし、と公式に記載があります。買戻しの条件は第19条です。2026年9月5日に確認しました。
返す場面2: 取引先から受け取ったお金を、期日までに渡さなかったとき
2社とも、買い取った請求書の回収は利用者に任せる形です。取引先はいつもどおり自分の口座へ払い、自分がそれを会社へ送金します。ここに期日と罰則があります。
ラボルの第21条2項は、回収金を「当社が指定する期日までに」指定口座へ振り込むよう定めています。振込人名も指定のものを書かなければ引渡しとみなさない、と続きます。第10条で、期限までに払わない場合の遅延損害金は年率14.6%です。
ペイトナーの第8条10項も同じ構造で、取引先の支払いが確認されたら「当社が別途指定する期日までに」相当額を送金し、遅れると年14.6%の遅延損害金がかかります。
つまり、取引先の入金が自分の口座に入ったあと、それを使ってしまって送金が遅れると、この14.6%が動きます。手数料10%で借りたつもりが、遅延の日数分だけ上乗せされる形です。入金があった日に、その金額を別に分けておく。規約から出る実務上の手順は、これだけです。
ペイトナーには、もう1段あります。規約の末尾にGardia保証委託規約が付いていて、利用者の支払債務を保証会社が保証する仕組みです。利用者が期限内に払わず保証会社が代わりに弁済した場合、利用者は保証会社に対して弁済額と年14.6%の損害金、費用を償還します。保証会社が付くのは、こちらが期日に払わなかったときの回収の経路が用意されている、という意味です。
期日と上限は、公式ページに数字がある
ペイトナーは、対象が支払期日まで70日以内の請求書、申請額の上限は取引実績に応じて最大300万円、審査は営業時間内なら即日、と公式ページに書かれています。手数料は10%で、振込手数料330円が別です。
ラボルは、手数料10%で振込手数料は会社負担(第17条5項)。ただし第17条3項に「当該審査に数日要する場合があります」とあり、即日は約束ではありません。細かい数字も規約側にあります。口座の登録ミスで組戻しが起きた場合の手数料は利用者負担。送金しすぎた場合の返金は500円の手数料を引いて戻り、500円以下なら戻りません(第21条3項)。
ペイトナーの利用規約(第7条・第8条・第10条)を公式で読む#PR 公式サイトへ移動します。手数料10%と振込手数料330円、対象は支払期日まで70日以内の請求書、上限は最大300万円。2026年9月5日に確認した表示です。
申し込む前に確かめる順
前の記事の3つ(手数料の総額、償還請求権、取引先への通知)の先に、規約から4つ足します。
- 出そうとしている請求書は、納品と検収が済んでいるか。取引先が支払を拒める理由が残っていないか
- 源泉徴収や経費の相殺で、入金額が額面より減る予定はないか。減る分は自分が払う
- 取引先からの入金日に、その金額を送金用に分けておく段取りがあるか。遅延損害金は年14.6%
- 送金の期日と振込人名の指定を、審査通過の通知で確認したか
4つとも、規約に書いてあることを自分の請求書に当てはめるだけです。当てはめて引っかかる項目があるなら、その請求書は買取に出さないほうが、あとで買い戻すより安く済みます。
向いている人
- 納品と検収が終わった請求書だけを出す人。確約事項に引っかかる余地がない
- 入金を分けて管理できる人。回収金の引渡しが規約の中心で、ここが守れれば返す場面は来ない
- 取引先の倒産リスクを自分で持ちたくない人。その損は2社とも買取側が負う構造
向いていない人
- 検収前や、相殺や値引きの交渉が残っている請求書を出したい人。表明保証違反で買戻しか返還になりえます
- 入金があったらそのまま生活費に回す人。送金が遅れた日数分、年14.6%で増えます
- 支払期日が70日より先の請求書を出したい人。ペイトナーは対象外で、ラボルは審査に数日かかる場合があります
どこまで確かめたか
ラボルは利用規約(2020年7月1日制定)の第10条と第17条から第21条を読みました。ペイトナーは利用規約(2025年7月1日改定)の第7条・第8条・第10条から第12条とGardia保証委託規約に加え、料金ページと申請額の上限ページを読みました。いずれも2026年9月5日に公式サイトで確認したものです。条文の引用は読んだ時点のものです。
ラボルを実際に使った1件の記録と、選択肢の並べ方、手数料を年率に直した目安は資金が細る月の選択肢の記事にあります。この記事はその続きで、規約の側だけを扱いました。
規約は改定されます。申し込む直前に、公式サイトの利用規約と料金ページを自分の目で読んでください。とくに回収金の送金期日は、審査通過の通知に書かれるものなので、この記事では数字を出せません。
出す請求書を1枚決めてから、ラボルの申込画面で見積もりを見る#PR 公式サイトへ移動します。この記事の条文は2026年9月5日に読んだもので、最新の規約は公式で確認してください。