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エンジニアの転職とフリーランス、どちらが自分の問題を解くか。辞めたい理由を5つに分けて確かめる

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目次
  1. 辞めたい理由を5つに分ける
  2. 5番が逆になる理由
  3. 1番と2番は、どちらでも解ける。だから条件で選ぶ
  4. 3番は、どちらでも解けないことがある
  5. フリーランスを選んで、実際に解けなかったもの
  6. この記事で言えないこと
  7. よくある質問
  8. まとめ

会社を辞めたい理由は、本人の中ではひとつの塊に見えます。塊のまま「転職とフリーランスのどちらにするか」を考えるので、どちらを選んでも解けない、という結末になります。

先に立場を書きます。私は会社員を数年やったあとフリーランスになりました。最初の現場はエージェント経由で紹介してもらい、いまも開発の現場にいます。転職エージェントを使って転職した経験は無いので、その使用感は書きません。 書けるのは、フリーランスを選んだ側から見て、何が解けて何が解けなかったかです。片側の実測ですが、割り振りの材料にはなります。

辞めたい理由を5つに分ける

まず自分の理由がどれなのかを決めてください。複数あるなら、いちばん重いものを1つ選びます。

#辞めたい理由転職で解けるかフリーランスで解けるか
1給料が上がらない解ける。市場価格に一度リセットされる単価は上がる。ただし手取りは別計算
2技術が古く、伸びている実感がない解ける。技術選定ごと変えられる部分的。現場は選べるが保守の比率は読めない
3人間関係がつらい解ける場合が多い解ける。契約が切れれば終わる
4働く時間と場所に裁量がない解ける。条件で選べる部分的。稼働時間は契約の精算幅で決まる
5事業に興味が持てない解けるむしろ悪化する

5番だけ向きが逆になります。ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

5番が逆になる理由

事業に思い入れを持ちたい、プロダクトを自分ごととして育てたい。この理由で辞めたい人がフリーランスになると、たいてい遠ざかります。

現場を渡り歩く働き方は、事業の当事者性とは相性が良くありません。参画した時点で方針は決まっていることが多く、来期どうするかの議論に呼ばれる立場でもない。契約の範囲を丁寧にやるほど、事業の外側にいることがはっきりします。

私はこの働き方を選んでいるので、それが悪いとは思っていません。ただ、事業の当事者になりたいという欲求は、フリーランスでは買えません。 それが欲しいなら、正社員として事業に近い会社へ移るほうが素直です。

1番と2番は、どちらでも解ける。だから条件で選ぶ

給料と技術は、転職でもフリーランスでも動きます。だから「どちらが解けるか」ではなく「どちらの条件が自分に合うか」で決めることになります。

給料については、単価と手取りを同じ物差しに乗せないと比較になりません。月単価80万円を年収960万円と読み替えるところでつまずく人が多いので、その手順を会社員エンジニアがフリーランスを検討するとき、先に確かめる7つへ分けて書きました。転職の年収と並べるのは、換算を済ませたあとです。

技術については、フリーランスのほうが不利になる場面があります。参画する案件は既存システムの保守・改修が一定の割合を占めます。新しい技術で作り始める仕事を狙うこともできますが、選べるかどうかは市況とスキルの掛け算です。一方で転職なら、その会社が何で作っているかを面接の前に調べられます。技術スタックを狙って変えたいなら、転職のほうが読みやすい。

逆にフリーランスが有利なのは、幅です。現場を変えるたびに、技術も開発の進め方も人の動き方も変わります。1社に長くいると、その会社でしか通用しないやり方が上達していく。それ自体は悪くありませんが、外で通用するかは別の話です。何周かした人と1社で10年いた人では、対応できる範囲が変わります。

3番は、どちらでも解けないことがある

人間関係は、環境を変えれば大半は解けます。転職なら人が入れ替わり、フリーランスなら契約が切れれば終わります。

ただし、原因が自分の側にあるときは移動しても再発します。ここを正直に確かめずに動くと、2回目も同じ理由で辞めることになります。次の職場でも起きそうかを一度考えてから決めてください。我慢しろという意味ではなく、判断材料の話です。

フリーランスを選んで、実際に解けなかったもの

私の場合を書きます。1人分の記録です。

解けたのは、働く相手と場所の選択でした。合わない現場を無期限に続ける前提が無くなるのは、思っていたより効きました。案件が途切れる不安も、私の場合は実際の問題になった記憶がありません。ただしこれは運と相性の話でもあるので、一般化はできません。

解けなかったのは、税と保険の負担感です。損をするわけではなく、会社が肩代わりしていた分を自分で払うようになるだけなのですが、タイミングが厳しい。独立1年目の住民税と国民健康保険は、前年の会社員時代の所得で計算されます。収入が読めない年に、高かった年の請求が来ます。ここは事前に金額を出しておくしか対処がありません。

入金の間隔も変わります。月末締めの翌々月払いという条件だと、働いてから入金まで2か月空きます。その月をどう越えるかは、独立を決める前に決めておく話です。手当てを含めてフリーランスの入金は遅い。資金が細る月の選択肢に整理しました。

もうひとつ。社員時代の先輩を同じエージェントに紹介したことがあります。その先輩は1つの現場に5年ほどいて、貯めたお金で自分の事業を始めました。フリーランスは短期契約を渡り歩くもの、という私の思い込みが崩れた出来事です。長く働く前提の契約も相談できます。 安定を理由に転職一択と決めている人は、そこだけ確かめる価値があります。

この記事で言えないこと

よくある質問

どちらも「逃げ」ではないですか。

動く前に理由を分解したかどうかで決まります。分解せずに動くと、次も同じ理由で辞めます。分解して「これは転職では解けない」と分かったうえで動くのは、選択です。この記事の目的はそこだけです。

フリーランスから正社員に戻れますか。

戻った人を私は知っています。ただし戻りやすさは、市況と経歴と年齢の掛け算なので、私の観測範囲を一般化はできません。戻る前提で独立するより、戻る必要が出たときに何が武器になるかを考えて現場を選ぶほうが現実的です。

在職中に確かめられることはありますか。

あります。手取り換算、1年目の税と保険の請求額、生活防衛資金の額は、辞める前に机の上で出せます。その順番を先に確かめる7つへまとめました。

まとめ

辞めたい理由を5つに分け、いちばん重い1つを選ぶ。それが5番(事業に興味が持てない)なら、フリーランスは逆効果なので転職を見る。1番と2番なら、どちらでも動くので条件で選ぶ。3番なら、原因が自分の側にないかを先に確かめる。

フリーランスでは買えないものがあります。 事業の当事者でいること、1社の中で積み上がる種類の信頼、そして給与という形で毎月同じ日に入ってくる安心です。それが欲しいと分かった人にとっては、転職のほうが正しい道具です。

独立の側を具体的に見るなら、Midworksで最初の現場をもらった実体験に、不安を6つに分けて潰した記録があります。